外壁塗装の時期は素材で変わる!外壁材の特徴とリフォーム時期
最近見かける建物の外観は、サイディングやモルタル、コンクリート、トタン、木材など種類が豊富です。
なので、使っている外壁材によって劣化症状や塗替えのタイミングが異なります。
適切な時期にリフォームを行えば、素材も長持ちしますし、費用も安く抑えることができます。
そのために、まずはご自身が使っている外壁材の特徴や劣化状況を理解しておくことが大事になります。
今回は、代表的な外壁素材の特徴や塗替えのタイミングなどを紹介いたします。
窯業(読み=ようぎょう)系サイディングの特徴
はじめに紹介するのは、外壁の中で人気の高い窯業系サイディングです。
サイディングには、窯業系、金属系、樹脂系などの種類があります。その中も窯業系は、70%以上の住宅に使われている最もポピュラーな外壁材です。
セメント質や繊維質を主な原料に使って形成した定尺のボードです。工場生産しているため品質が安定しているメリットがあります。
柄や色のバリエーションが豊富なので、本物のタイルや石のような見た目に仕上げることができます。材質が頑丈なので、貼るだけで耐震性を向上させる優れものです。
窯業系サイディングの主な劣化症状
窯業系サイディングの防水性は、表面の塗膜で保たています。セメント・繊維質の基材には吸水性があるので、水に触れると傷んできます。なので、「チョーキング」が発生してきたら、そろそろリフォームを検討する時期です。
また、サイディングボードのつなぎ目は、シーリング(コーキング)を充填して仕上げてあります。シーリングの「痩せ」「隙間」は雨漏りの原因になるので、シーリングの劣化状態にも目を配る必要があります。
窯業系サイディングの主な劣化症状ですが、紫外線による「褪色(読み=たいしょく)」「チョーキング」「ソリ」「爆裂(読み=ばくれつ)」などあります。
シーリングは7~10年程度が寿命なので「痩せ」「隙間」を見つけたら早めに修理してください。
サイディング表面の塗膜は、一般的に10年程度は持つ傾向にあります。
けれど、建築地の気候によって塗膜が早く劣化する場合があります。「褪色」が始まったら築年数にこだわらず、定期的に劣化状況を点検してください。
塗替えリフォームの適期については、下記の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
参考:日向と日陰劣化状態がこんなに違う!塗替え時期の判断は?
塗装の目安:10~15年
金属系サイディングの特徴
金属系サイディングは、柄がプリントされたスチールやアルミニウムなどの金属板と断熱効果や防火性に優れた裏打板で作られたサイディングです。
なので、寒暖差の激しい山梨の気候にマッチした材質といえます。
軽量で作業性にも優れているので、張り替えリフォームにもよく採用されます。
金属系サイディングの主な劣化症状
金属系サイディングも、シーリングのメンテナンスが必要です。症状や対処法は、窯業系と同じですが、種類によってジョイント部に専用部材を使っているサイディングがあります。専用役物は、シーリングのようにすぐには劣化はしません。
金属系サイディングの劣化症状ですが、下地が薄い鉄のような素材です。その表面のメッキ塗装が傷ついたり劣化すると、下の鉄部が傷んで「赤サビ」や「カビ」が発生してきます。
放置しておくと「赤サビ」が広がったり、穴が空いてしまうこともあるので注意してください。
ちょっとした外力で表面の塗膜に傷がつくので、台風や強風のあとの確認が大切です。「赤サビ」を発見したら、劣化が拡大する前に補修するのがポイントです。
金属系サイディングは、美観や防カビのため平均的に10~15年がメンテナンスのタイミングとなります。
塗装の目安:10~15年
モルタル外壁の特徴
モルタルは、セメントや砂、水、混和剤などを使ったペースト状の材料です。
施工が容易でコスト安いので、昔は外壁に多く採用されていました。施工はモルタルを壁に吹き付け、その上から塗装をして仕上げています。
頑丈で耐火性にも優れていますが、防水性が低下すると劣化がいっきに進んでしまいます。
近年はジョリパットなどの模様塗装を採用することも多く、塗り壁の需要が多くなってきました。
モルタルと塗料を使った本物の温かさが魅力なので、モルタル外壁の需要が上がっているのでしょう。
モルタル外壁の主な劣化症状
モルタルの外壁は、サッシ周りやジョイントの部分をシーリングで処理してあります。シーリング部分は7~10年程で劣化するので「痩せ」や「隙間」が見つかったら補修してください。
また、外壁表面の塗膜は、8~10年くらいで劣化がはじまる傾向にあります。劣化で付着力が低下するとモルタルが「剥離(読み=はくり)」したり、傷んで「クラック」が発生します。
「カビ」「コケ」は外壁の劣化や汚れの付着原因になりますので、できるだけ除去するようにしましょう。
前回の塗装から8年を過ぎたら、定期的にチェックして塗膜の劣化を確認していくのがポイントです。
ヘアークラック程度であれば問題ありませんが、著しいクラックがある場合は雨漏りの原因とななります。早めにお近くの業者に相談しましょう。
塗装の目安:10~15年
ALC板外壁の特徴
ALC板というのは、軽量気泡コンクリートと呼ばれている素材です。
チョークのような素材に細かい気泡がある製品です。重量はコンクリートの1/4程の軽さとなっています、
気泡部分が空気層となり、断熱効果を発揮する優れた外壁材です。また、耐火性、耐久性にも優れていますが、吸水すると傷みが早くなります。
鉄骨造の外壁や店舗やビルなどに多く採用されています。
ALC板外壁の主な劣化症状
ALC板外壁も、サッシ周りやジョイント部分のコーキングが先に劣化していきます。コーキングの「痩せ」「隙間」が確認されたらメンテナンスを行ってください。
また、外壁は、紫外線により8年くらいで「褪色」してきます。
築8年程度経過したら、自己点検で塗膜のチェックを行ってください。「チョーキング」の兆候があれば一度業者に見てもらうのがおすすめです。
さらに、「チョーキング」を放置していると細かい「クラック」が発生します。
ALC板は塗膜で素材を守っています。塗膜の防水性が低下して吸水するとALC板自体が急激に劣化します。
「クラック」から水が入り込んで素材がボロボロになってしまうと、下地の補修に思わぬ出費が必要になります。「チョーキング」が発生したら、早めに塗り替えの手配を行いましょう。
塗装の目安:8~10年
コンクリート外壁の特徴
コンクリート外壁は、鉄筋コンクリートでつくられた建物の外壁を指します。
鉄筋は引張力に強く、コンクリートは圧縮力が強いので、この2つの利点を最大限に利用した外壁となります。
日本にある建物の構造体の中で1番丈夫なのが鉄筋コンクリートです。耐火性、耐震性、防火性、遮音性も抜群で、建物の構造体と外壁を併用して使うことができます。
コンクリートの肌の良さを最大限に利用した外壁にしたり、コンクリートの上にお好みの仕上げを施した外壁にできるなど、意匠性に富んだ外壁とすることができます。
ただし、建築コストが高く、工期も長くなるのでビルやマンション、公共施設等で主に使われることが多い素材です。
コンクリート外壁の主な劣化症状
コンクリートは、半永久的な建物だと思いがちですが、材料自体には吸水性があります。また、収縮や膨張を繰り返すので、経年劣化で「クラック」が入ります。
外壁のジョイント部分やサッシ周りにはシーリングを採用します。こちらも劣化はシーリング部分から起こります。シーリングの「痩せ」「隙間」を確認したらメンテナンスの手配をしてください。
塗装部分は劣化しにくく、15~20年は持つといわれています。
コンクリー外壁で注意したいのは、「クラック」の部分やシーリングの「隙間」から雨水が侵入して壁内を腐食させてしまうことです。
鉄筋がサビて膨張すると「爆裂」を起こすことがあります。「爆裂」が起きると建物の強度が落ちたり、塗替えでは対応できない事態になりかねません。
外壁の「クラック」やシーリングに「隙間」ができた場合は、早めにお近くの業者に相談してください。
塗装の目安:10~15年
トタン外壁の特徴
トタン外壁とは、薄い亜鉛メッキ鋼板に塗装を施した材料です。
トタンはコストが安く、防水性や耐久性に優れています。最近はあまり目にすることが無くなってきましが、以前は、住宅や住宅以外の建物にも多く採用されていました。
素材が軽いので建物に負担を掛けない外壁で、塗替えも比較的容易にできます。けれど、サビやすく、断熱性に乏しいなどのデメリットもあります。
トタン外壁の主な劣化症状
トタン外壁も、サッシ周りのコーキング部分が最初に劣化する傾向があります。シーリングの「痩せ」「隙間」を確認したらメンテナンスを行いましょう。
トタン外壁は、8~10年くらいで劣化してきます。塗膜の防水性が落ちてくると素材が吸水して「ソリ」が発生してきます。なので、「チョーキング」が発生してきたらこまかく自己チェックして修繕しましょう。
また、山梨の山間部などでよく見受けられる現象として「白サビ」があります。湿気が原因で表面の亜鉛が酸化して白い斑点が出る現象です。
「白サビ」は、劣化を早める原因にもなりますし美観も悪くなります。「白サビ」が多くなってきた場合は塗替えを検討してみましょう。
塗装の目安:8~10年
木材板外壁の特徴
木材の外壁とは、羽目板素材の外壁材です。
木の柔らかさやぬくもり感を最大限に発揮できる、他の素材にはない外壁とすることができます。
甲府市内などの市街地では、使用するのが難しい場所もありますが、八ヶ岳や富士五湖地域などではよく目にする外壁材です。
採用する木の種類によって雰囲気も変わり、貼り方によってもガラっと雰囲気を変えることができます。
木材板外壁の主な劣化症状
木材板外壁もサッシ周りにコーキング施工を行っており、シーリング部分が1番先に劣化していく傾向があります。シーリングに「痩せ」「隙間」がでてきたら修理していきましょう。
また、木材部分も塗膜が劣化しやすい傾向があります。紫外線や雨の影響で「変色」してきたら定期的に自己点検していきましょう。
劣化を放置しておくと「腐食」がどんどん進みます。「カビ」が発生したり「シロアリ」被害にあうこともあります。
また、木材は収縮すると「ヒビ」が入ってきます。「ヒビ」は、雨水を侵入させて外壁や内部を傷めてしまいます。こまめにチェックしてシーリング部分と一緒に修繕していくのがいいでしょう。
塗装の目安:8~12年
資産価値を守るため計画的なメンテナンスを
今回は、外壁材の特徴や劣化症状について説明しました。外壁や屋根のリフォームは適期に行えば、塗り替えとシーリングの打ち替えで済みます。
参考:屋根の塗装はいつすればいい?屋根材の特徴とリフォームの時期
シーリングの劣化は、雨水を建物に浸透させてしまいます。結果、雨漏りの影響が建物の主要構造部までに及び建物自体が劣化してしまいます。
また、塗膜の劣化は外壁の素材自体をダメにしてしまいます。塗替えリフォームで済むはずだったのが、外壁が腐食してしまい全て張替えになってしまうこともあります。
参考:外壁リフォーム!時期を逃すとこんなリスクが待っています!
そんな事態にならないように「そろそろ外壁塗装の時期かな?」「気になる症状が出てきた」と思ったら、まずは早めにプロの点検を受けるようにしましょう。
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