塗膜の劣化プロセスで分かる塗替えリフォームの最適期
屋根や外壁などの外装部は、日々直射日光や風雨から建物を守っています。
新築当時はピカピカな我が家も、次第に「光沢低下」「色落ち」など一定のプロセスに沿って劣化していきます。
現在は、建物の高性能化が進み、必要なタイミングでメンテナンスを行っていけば、長く快適に生活できる環境が整ってきています。
その恩恵を享受するには、自身の住まいの劣化状況を把握して、最適な時期にリフォームを依頼することが必要です。
リフォームの検討をはじめるタイミングは何時がいいのでしょうか?また、リフォームを依頼する目安はあるのでしょうか?
今回は、塗膜の劣化プロセスと最適な塗替え時期について、詳しくご紹介していきます。
塗膜の劣化状態のプロセス
外壁塗膜は、太陽光などの外的刺激の影響で、劣化が進行していきます。
外壁塗膜の劣化状態のプロセスは、以下で説明する流れで進んでいきます。
①光沢低下
塗膜の劣化に伴って、塗料の樹脂が微妙に割れはじめ欠落してしまう状態です。塗料の顔料が露出して光沢が徐々に低下していきます。
「光沢が無くなったくらいでは問題ない」と思う人もいるようですが、塗膜の樹脂に既に異常が発生しているので、塗膜としての強さはありません。
塗装をした当初よりも光沢がなくなった段階を「光沢低下状態」といいます。
②色落ち
「光沢低下状態」がさらに進むと、外壁や屋根の色が薄くなったりくすんだりしてきます。この段階になると素材が水を吸収して外壁や屋根の寿命を縮めてしまうことがあります。
③チョーキング
素材の退色により樹脂の劣化が進むと、顔料が完全に露出して樹脂層が粒子化してしまいます。この段階になるとチョーキングが現れます。
塗膜を手で触れると、チョークのような粉が付きます。チョーキングが確認できた場合、すでに赤信号です。防水効果がなくなっている状態といえます。
④クラック
塗膜の樹脂の結合力が低下してしまい、塗膜自身が割れて細かくクラックを発してきます。
塗膜の接着力が悪くなってしまい、塗膜の剥離や浮きが発生してくる段階です。
⑤剥がれ
さらにクラックを放置しておくと、急激に劣化が進むようになります。外壁が剥がれ落ちたり、外壁が膨らんでしまうこともあります。
こうなってしまうと、正直外壁の塗替えでは対応できない場合もあります。
塗替えリフォームの時期
上で説明したプロセスで塗膜の劣化は進行します。リフォーム時期を検討する際には、我が家の劣化が今どの段階にあるのかを正しく把握することが大切です。
なので、塗料の退色が始まったら、築年数にかかわらず、一年に一度は建物の自己点検を行なって劣化状況を確認しておくのがおすすめです。
外壁の塗替え時期ですが、以下の現象がおきたら適期といえます。
チョーキング
劣化のプロセスの③段階に現れるチョーキングが確認できるということは、すでに塗膜が傷み、防水効果がなくなっている証拠です。
塗り替えのタイミングは、このチョーキングが現れはじめた頃がベストです。
ひび割れ
劣化のプロセス④のひび割れですが、この段階まで劣化が進んでいると、すでに雨水が内部に侵入して悪さをしている場合があります。
また、塗替えリフォームの際には、ひび割れた部分の補修も施さなければなりません。こうなると余計な費用もかかりますし、建物的にも悪影響が懸念されます。
ですから、ひび割れを起こす前に塗替えリフォームを済ませておきたいものです。
剥がれ
劣化のプロセス⑤の剥がれですが、すでに雨水などで建物の強度が損なわれていることが疑われる段階です。この場合、塗替えでは対応できないことがあります。躯体に損傷がでていると大規模な改修工事が必要になります。
「無料雨漏り診断」で鳴沢の別荘地へ伺った時の話ですが、留守の間に雨漏りが発生していて、診断にお伺いした際には、すでに構造躯体が腐食していたことがあります。結局建物は取り壊すことになりました。このような事態を招かないように、早めの点検と対応を心がけてください。
今回は、塗膜の劣化プロセスについて説明しましたが、金属系やモルタル、木材を使用した建物の劣化状況とリフォーム時期についても下記の記事で紹介しています。
参考:屋根の塗装はいつすればいい?屋根材の特徴とリフォームの時期
まずは自己点検の徹底を
今回は、塗膜の劣化プロセスについて説明しました。
塗替えリフォームを検討する際には、いつ建てたかよりも。今どういう状態なのかを把握することが大切です。
外部の塗装が「色あせ」てきたら、まずは定期的に自己点検を行うようにしてください。チョーキングやひび割れの症状が出てきたら、早めに信頼できる業者さんに相談するようにしましょう。
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